一般社団法人 日本脳神経外科学会 第82回学術総会

ご挨拶

会長 齊藤 延人

一般社団法人 日本脳神経外科学会 第82回学術総会
会長 齊藤 延人
(東京大学医学部脳神経外科 教授)

第82回日本脳神経外科学会学術総会を、2023年10月25日(水)~27日(金)の3日間、パシフィコ横浜にて開催させていただきます。

本会のテーマは「脳神経外科学のフォアフロント」といたしました。本邦の脳神経外科では、日本脳神経外科コングレスが生涯教育を担当し、日本脳神経外科学会学術総会が最先端の研究を議論するように役割分担がなされています。今回の学術総会では基本領域として裾野の広い脳神経外科の特徴を生かし、Cutting-edgeの研究はもちろんのこと、内科的治療やリハビリなど周辺領域も含めたさまざまな分野における研究や臨床の進歩を対象とし、最前線で活躍している国内外の研究者・臨床家の皆さまに最前線の知識と意見を交換していただくことを期待してこのテーマといたしました。

おかげさまで応募演題数は1,968演題に達し、指定演題も含めて発表演題数は2,002 演題となりました。その内訳は、シンポジウム:31企画184演題、ビデオシンポジウム:18企画86演題、一般口演:112企画808演題、ポスター:15企画895演題、共催セミナー:68企画ハンズオン:7企画などとなっています。今回から人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の改訂に対応して、日本脳神経外科学会の「学会発表や論文投稿における倫理チェックリスト」も厳しくなりました。そのために採用に至らなかった演題もありました。介入試験はもちろんのこと、後方視的なカルテレビューの研究についても、原則、研究倫理審査が必要となります。このあたりの理解が進むことを期待いたします。

海外からは14名の演者をお招きしました。多くの方が現地に来られ、シンポジウムの中の基調講演のような位置づけで、ご発表をいただきます。文化講演はノーベル物理学賞受賞の東京大学宇宙線研究所の梶田隆章先生に「神岡地下での基礎科学研究」と題したご講演をいただきます。また、Diversity, Equity, Inclusionの尊重がますます叫ばれつつある時代において、本会においても女性の座長を多く採用し、「脳神経外科におけるダイバーシティーの推進」と題した特別講演のセッションも設けました。その他にも、FDや共通講習、すっかりと恒例となったGreen Projectも開催します。また、新しい試みとして、領域講習、共通講習などの講習会の受講登録をスマホアプリで登録する仕組みを取り入れました。これにより自身の手元に何を受講したのか記録が残るようになります。導入当初の混乱も予想されますので、従来通りの会員カードによる登録も併用いたします。

新型コロナ感染症は、今年の5月8日より季節性のインフルエンザ並の5類に移行し、規制は緩やかとなりましたので、今回は現地開催をメインに戻しました。一方で、総会の開催直前にも第9波が到来していると言われています。そのような状況も考慮し、オンライン配信やオンデマンド配信にも対応したハイブリッドといたしました。皆さまと横浜でお目にかかれる日を楽しみとし、本会が会員の皆様にとって有意義な会となることを期待しております。

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